ハンセン病家族訴訟についての支援決議

現在、熊本地方裁判所で行われているハンセン病家族訴訟は、国のハンセン病隔離政策によって、ハンセン病患者・元患者の家族らが社会内で直接・間接に深刻な差別と偏見にさらされ、人生のあらゆる局面で様々な被害を受けてきたとして、国に対し、謝罪と損害賠償を求める訴訟である。

 この訴訟では、隔離政策を貫徹するために、ハンセン病を恐ろしい伝染病であるとして、無らい県運動を推進し、家族全体を地域から排除し、更には、「未感染児童」等として家族をも監視対象としてきた国の加害責任が厳しく問われるとともに、患者・家族を地域社会や学校現場から排除してきた社会の側の責任が問われている。

 私たちハンセン病市民学会は、この家族訴訟において語られる原告一人ひとりの訴えに謙虚に耳を傾けるとともに、この訴訟が、たんに家族らの被害回復を図るだけでなく、今なお根強く残るハンセン病に対する差別・偏見を一掃するうえで、極めて重要な意義を有していることを改めて確認し、裁判の全面勝訴に向けて、全力で支援することを決議する。

 

                         2017520

 

                        ハンセン病市民学会